Artist's commentary
中間棲姫が笑うとき
AL/MI作戦は成功裏に終了した。この作戦の為提督が行ってきた入念な準備が、ついに実を結んだのだ。投入されたエース級の艦娘たちは期待通りの働きを見せ、決して敵に引けを取らなかった。敵の抵抗は激しかったが、予想を超える程ではなかった。心配された補給の消耗も、この頃には十分供給の目処が立っていた。AL作戦部隊は計画どおり敵艦隊を誘き出し、MI作戦部隊もMI島を攻略、敵奪還部隊も撃破して支配を確実なものにした。作戦目標は全て達成された。勝利の凱歌が艦隊中に響き渡り、任務を果たした艦娘たちの顔にも満面の笑顔が広がっていった。軍令部より、皇都が敵大部隊の攻撃を受けつつあり、との緊急電を受信するまでは。その一報により、戦勝気分は跡形もなく吹き飛んだ。提督の受けたショックは大きかった。誘致したはずの敵艦隊はAL海域に向かったのではなかった。連合艦隊がMI島へ戦力を集中している隙に、手薄になった皇国本土を直撃したのだ。なんのことはない、誘き出されたのは深海棲艦艦隊ではなく、自分たちだったのだ。 “戦争は所詮騙し合い”古来からの戦略家の言葉が脳裏を過ぎる。鎮守府に残った艦娘たちに戦艦棲姫らを食い止める力はない。提督は自らの敗北を悟った。彼女の夏は、こうして終わった…… ■AL作戦/MI作戦への参加を記念して。次こそは、必ず……!