Artist's commentary
乗り込み戦闘中のVF-1・Ⅱ
■奇襲作戦「鈴明美」は完全な成功を収めた。彼女の「歌」を聴いたボドル基幹艦隊のゼントラーディ将兵らはそのカルチャーインパクトに圧倒され恐慌状態に陥った。部隊を繋ぐ指揮系統は崩壊し、400万隻の精鋭艦隊は今や右往左往するばかりの烏合の衆と化していた。わずかばかりの部隊が自衛戦闘を始めたが、可変戦闘機に守られ反応兵器を集中投入する統合軍・同盟ゼントラーディ軍艦隊の敵ではなかった。それでも旗艦フルブス・バレンスを巡る攻防は熾烈を極め、基幹艦隊側の反撃で一時は危機的状況に陥ることがあったものの、カムジン艦隊の離反で形勢は決定的となり、ついにマクロスが艦内へ突入し同艦を完全撃破することに成功した。総司令部を失った各分岐艦隊は太陽系からの離脱を開始、基幹艦隊の内実に99.9パーセント以上の艦艇は、敵影すら見ずに敗退したのであった。
最近機密指定が解除されたこのショットは、第8次遺骨調査隊がフルブス・バレンス艦内を調査中、奇跡的に生き残っていた補助電算室内の記録から発見したものである。データログから撮影場所が基幹艦隊総司令部であり、いずれかの司令部要員の視覚情報であることが分かっている。一説では艦隊総司令官ボドルザー其の人が最後に見た光景ではないかとも言われているが、戦闘の詳細は未だ軍機の壁に阻まれており真偽の程は明らかでない。中央のVF-1はマクロスを母艦とする第12空母航空団のCAG機。航空団司令が搭乗していたことが判明しているものの、当人は既に故人となっておりこの場で起きたことを語れる者は誰もいない。ただこの写真自体は開示前からその存在が噂されており、戦勝20周年記念映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」では若き映画監督G・ヤマモリがいち早く作品に取り入れたことは、よく知られているところである。 ■pixiv #41389901 »の続き。 第一次星間大戦・Ⅱ