
Artist's commentary
ありふれた風景のあり得ない光景
卒業式の実行委員、その集まりが学校から近いという理由だけで俺の部屋で行われる事になってしまった。だけどその事を決めた張本人はここに居ない。彼らは放課後になると一様に補習だなんだと理由を付けてどこかへ行ってしまった。
要は面倒になって丸投げされてしまったのだ。
そして残ったのが彼女と俺の二人だけ。
「ベッドに座ってて。いいからいいから!俺の部屋結構汚れてるし。鞄もベッドに置いて。ゴメンな、散らかってて。あ、コーヒーでいいかな?」
焦りと沈黙の恐怖から矢継ぎ早にそう告げて俺はコーヒーを淹れた。
お礼を言う彼女を見た時、ふと我に返り状況を冷静に理解する。
と同時により一層の緊張が俺の中を駆け巡った。