Artist's commentary
「菫」
「どうした照?」 「昨日淡を泊めたみたいだね」 「ん?ああ、大星から聞いたのか」 「聞いてはいない。偶然菫の家の近くで迷子になってて、二人で家に入っていくのが見えたから」 「そんな近くにいて、しかも見かけたなら一声かけてくれれば。家まで送ったぞ?」 「二人の邪魔しちゃ悪いと思って」 「まったくもって邪魔じゃないんだが。というか変な気は回さないでいい。……いや、待て。何で大星が泊まった事を知っている?」 「……」 「おい」 「あ、アレ。本編でよくあるニュータイプみたいな直感が働いたから、それで分かった」 「お前は家にちゃんと帰ったのか?」 「ん?うん?帰ったけど?え?なんで?」 「まあ、そういうことにしておいてやる」 「うん。でも菫はもっと人を疑うことを覚えた方がいい」 「覗いてたんだろ」 「!?……今そういうことにしておくって言ったばかり。遡及するのは良くない」 「内容によるだろ」 「よるかもしれないけど、私が言ったのは私の行動のことじゃなく、淡のこと」 「?どういうことだ?」 「淡は明らかに菫にふしだらなことをする気だった。目を見れば分かる」 「いや、別に何もされてないが」 「寝ている間は無防備だから……本人のあずかり知らぬところであんなことをされてたなんて、菫かわいそう」 「!?」 「嘘。そんなことしてたら流石に止めに入ってた」 「止めにって、やっぱり覗いてたのか」 「!?今のは言葉の綾。ニュータイプ的なアレのことだから気にしないで」 「大星よりお前を疑うぞ」 「スミレの花言葉は小さな愛、誠実。菫にぴったり、ふふ」 「だから何だ。誤魔化しのつもりか」 「……」 「お前が覗いてたこと、一生涯忘れないぞ」 「菫」 「何だ」 「……ううん、……弘世菫さん、好きです。私と付き合ってください」 「断る」 「菫、私嬉し、……は!?!!?!??」 「冗談は角だけにしろよ」 「ひどい……」 ……前のとかその前のとかランキングどもでした。字数制限がアレでアレでした