Artist's commentary
ジンパチ先生水属性だったのにうっかり氷と勘違いして描いてもうた。
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「あなたが行って何ができるの?」
イリピア先生に羽交い絞めにされても、私はなおも腕をのばした。
わかってる。わかってた。私が行って何ができるというわけでもないことは。
ただ、じっとしてもいられなかった。
「アンセルちゃんが!アンセルちゃんがぁ…!!」
数百メートル先の光景は信じがたく、あのアンセルちゃんがおされていた。
「私たちを守るために」と言っていたカルピスソードを、ジンパチ先生がアンセルちゃんに向けている。
有り得ない。
いったい何がおきているの?
ニーヴァちゃんが変な雪像を呼び出して、ティオ会長がさらわれたってきいて…ジンパチ先生と一緒に黒髪の女の子が、アンセルちゃんと対峙している。
どうして…どうしてこんなことに…!
次の瞬間の光景は、もっと信じがたかった。
空間が歪み、その中に黒髪の女の子とジンパチ先生、それとぐったりとしたアンセルちゃんが飲み込まれていく。
私は歪んだ空間が元に戻るのを、ただ息を呑んで見つめていた。
周囲が落ち着いたのと同時に、イリピア先生の拘束がするりと解けた。
崩れるように膝を突き、ただ呆然とアンセルちゃんが居たはずの場所にその影をさがしたけれど、当然見つけることはできなかった。
「生徒を守るのが、私たち教師の役目。そうでしょう、ジンちゃん…」
頭上から静かにイリピア先生の声が響く。
私たちはアンセルちゃんとジンパチ先生が消えていった場所をただ見つめるしかなかった。
深い哀しみを湛えた瞳で…。