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Artist's commentary
月見草 -1947-
算盤の鬼、兎妖の月見。
白い美人さんは最近めっきり顔を出さなくなったがこの娘は相変わらずである。
戦後で心に余裕が無く、荒れる日雇いの対応も(基本捻じ伏せる形で)腕自慢の男衆より信頼が置け、
記憶力も良く、勘定も正確である。帝都の百貨店から引き抜きの打診もあったという。
賀茂曰く「兎の化生にしては知能が高過ぎる」との事であるが、
淘汰される側の草食動物(の化生)が二度の大淘汰異変を潜り抜けただけでも十分な証明となろう。
本来の兎の化生とは、大量に生まれ、ほぼ全てが一年内に食われる運命にあり、
仮に成熟したとして、本能のまま命尽きるまで生殖行為を繰り返すだけである。
それが人語を介し、人間との対等な生活を送るなど日本では「因幡の白兎」以来の快挙ではないだろうか。
121123&25&26&27 総DR119 C197&8&9&200/2 T216&7&8&9 オ77&84 男45/女207 地域中部34