Artist's commentary
何人の男が犠牲となり、その雄としての最たる証を切り取られ
どれほど圧倒的な屈辱と虚無を刷り込まされたことだろう…。
もはや食料としてしか認識されなかった哀れな男たちの
無念、恐怖、後悔…幾つもの感情がそこには宿っている。
吸血鬼にして齢五百のレミリアは、果たしてどれだけ感じ取れるだろう。
恐いし不気味で気持ち悪い…その程度の感情しか湧かぬだろう。
無知故に睾丸の価値など知るはずもなく、故に思慮も浅い。
涙ぐんでこそいるが、そういう見方では彼女もまた冷酷なのだ。
吸血鬼として、一人の女として成長するには
このような冷酷さは必要不可欠なのかもしれない。