Artist's commentary
ヤセンスレイヤー続編”ウシミツ・アフター・ビフォア・トワイライ”
”ラスト・ケイジュン・ヤセンニング”より
7話「ウシミツ・アフター・ビフォア・トワイライ」
ヤセンスレイヤー激闘編。
「「「シズメッゾォラー!ギャーッ!グワーッ!」」」
イッザウシミツタイム!海域を埋め尽くすほど無数のクチク=イキューの群れの中心には、四方を囲まれつつもいまだそこに立つ5隻の艦娘の姿があった!
5隻のうち動くのは2隻!ヤセンムシャ=ジンⅡと、ディセンディング闇夜に振って降り立つヤセンスレイヤー=センダイだ!
ほか3隻は中破、もしくは大破しているクチク=クラスのようだが、メクラマシ!ジンⅡとセンダイのジツ。タンショ=トーの力で視線を遮っていた!
センダイの手甲がうなる!ヤセンカラテ・千枚バルジ正拳だ!アババババーッ!ヤセンカラテここにキワマレリ!さすがイッキトセンのニンジャ、群がる敵をチギッテハナゲチギッテハナゲする!
インパルス駆ける!なんたる修羅場インシデントか!
センダイがその持てるヤセン・ジツでチギリワナゲ乱舞するなか、
ジンⅡはひとつ気がかりがあった。敵の数が多すぎる。
ここ数日繰り返したヤセンを知るジンⅡだからこそ、脳裏にはサイアクのシナリオが浮かぶ。
ウシミツタイムも過ぎれば数時間で水平線から上る太陽が空を照らすだろう。
目をくらまし闇にまぎれて戦うこともできなくなれば、いよいよ危なくなるかもしれない。
だがここから退路を作るにも、死中に活路を見出すも、時間が許してくれるかどうか。まして敵は一体、どれほどの数で攻めてきているのか。わからないでいた。
そしてその思惑は、敵の側にも同じくあった。アンノジョー!
ヤセンスレイヤーの参戦、奮戦のしらせは、すでに敵はるか後方に構える本隊指揮、フラグシップ=センカン=タキューにも届いていた。
「甘いな、たった一隻でこの状況が覆せるものか。」
ナムアミダブツ!まさにそのとおりだった。シンカイの軍勢には余りある資源と、兵力と、時間があった。仮にこの海戦で負けるようなことがあっても、同じような規模の軍勢を差し向け続ければ、いつか向こうが先にスリキレルのだ。
ショギョームジョー!戦争とはそういうものなり。ひとり無敵の兵士がいても、
味方と資材と時間の浪費は免れない。まして戦場では活躍しても、戦況そのものをいっぺんに覆すファクターにはなりえないのだ。オロローッ
ッパン!
「ん?」
突如海域前方でまばゆい光が燈る。朝日ではない。アレはうわさの敵のあたらしいジツ、ショーメー=ダンだ。無駄なあがきを。
ヤセンスレイヤー...ニンジャといったか。
「ニンジャとは耐え忍ぶ者だと聞いている。
ならば文字通り、たった五隻でどこまで耐えられるか...」
5隻?
「今夜はやけに長丁場だな。エエッ?撤退しないんで?」
「指揮をとるのはワタシだ!余計な口出しはやm...」
突如話しかけられ思考を遮られたフラグシップは、口をはさんだ随伴艦へゲキを飛ばそうとした。
だがそこにいたのは同朋たるシンカイセイカンではなかった。
「ドーモ、シンカイセイカン=サン。
タイマニン=ナガトです。」
なんたるソロモンショック!敵の本陣たるチンジュフの近海まで攻め込んではいたが、ナムアミダブツ!コケツに入ってトラに出くわした!
センカン=タキューの顔が真っ青になる。元から青白い顔ではあったが、
二の句を告げないフラグシップに、ナガトは言葉を重ねた。
「うちのかわいいクチク達が世話になったな。
ので、ひとつ訂正してあげよう。」
シノビはヒトリで耐え忍ぶのではない。
ヒトのタメに耐え、忍ぶのだ!!
「 ハ イ ク を 詠 め !! 」