
Artist's commentary
腐泥の魔女
・レポート
実験体第十二号(突然変異体六号)
人間ベースの人工魔女を造るための素材となる魔力を製造するため、魔女をベースにして多種多様な魔女の魔力で汚染された魔力室にて作られた魔女、その一個体。
本来ならば、人間ベースの魔女を効率よく量産するために完成する魔力は下位~中位のものを想定していたが、この個体だけが突然変異によって超上位、またはそれ以上の魔力に変質した。
この個体の魔力は濃度が異常に高く、質量化している。
この実験に使用された魔女は7人。魔力室での監禁日数は36日。この魔女"ミスト"を除いた残り6人の魔女は22日の時点で全て死亡が確認された。
1人は初期の段階で魔力汚染による衰弱死。残りの死因はこの個体の変質した魔力による、超特濃魔力汚染によるもの。そもそもここまで変質した魔力は観測されたことがなく、どれほどの濃度なのかも現在の技術では計測不可能の領域である。
さらにこの魔女は攻撃魔法をほとんど使えない代わりに、高位防御魔法、超回復力、魔力炉の方程式を持っており、無尽蔵の魔力量と圧倒的防御を誇る。
人間はもちろんのこと、並の魔女は汚染領域内に踏み込んだだけで生存するのはほぼ不可能であろう。又、高位の魔女であっても質量化した魔力に直接触れれば、殆どの場合肉体を維持できなくなるだろう。
しかし、好戦的ではなく実践投入を見送っていた矢先、第二研究所の事故の際に脱走した。
本来ならば、脱走した魔女はその時点で廃棄処分、または殺害後の回収・リサイクルに使われるが、この魔女に関しては超再生能力と無尽蔵の魔力によって、殺害が困難であるため、どのような形での回収でも、可とする。
改修後は、魔導兵器の核としての運用が検討されている。
第二研究所室長オリヴィア・ホワイト
的な~