Artist's commentary
恋する盗賊
バアトル×キャス。
むさいと思っていたおっさんに、父の面影を見るキャス。貴族相手に盗みばかり働いていたため、ロクな大人を見ていないキャスは、実直なバアトルに感銘を受ける。
『こんな大人も居るんだ…』
バアトルの娘であるフィルを見ると、いい大人に育てられた娘は、ここまで良い娘に育つものなのか、それに比べて自分は何て汚い人間なのかと、自分を恥じた。
自分も変わりたかったのか。実の父親を捨てたという罪の意識もあり、何かとバアトルに付きまとうキャス。気が付くと、キャスは親子ほども歳の離れた男に完全に心を奪われている自分に気付いた。
『カッコ悪いけど…』
恋する乙女の自分は何だか恥ずかしかった。
二人が結ばれるまでには、相当な時間を要した。何せキャスは見栄っ張り、バアトルは硬派の上、妻一筋である。
しかし、キャスは欲しいものがあるならば何が何でもモノにする性格であり、バアトル自身も、妻には先立たれ、今は独身である。
普段は冗談ばかり言っているキャスだったが、その想いが本気で、真摯なものであると分かると、バアトルは無下に断れなかった。
「はぁ!はぁ…ぁん!父さん…、父さぁん…!」
キャスは興奮してくると、バアトルの事を『父さん』と呼んだ。それは、言葉を発している本人も気付いていない、無意識のものである。寂しかったのだろうか。
バアトルは、フィルと同じ位の年齢の少女とセックスをしているという事実に戸惑っていたが、自分を慕ってくれる少女に、愛情が沸かない筈が無かった。
亡き妻であるカアラのグラマーな身体と違い、少女であるキャスは胸も薄く、腰付きも子供を産むにはまだまだ成長が足りなかったが、悩ましい声で喘ぐ少女はそれなりに愛らしく、バアトルにとってキャスは、女として十分に魅力的だった。
フィルが武者修業に出ているのを良い事に、バアトルは妻に悪いと思いながらも、日々若い愛人の肉体に溺れた。