Artist's commentary
朱色のわけ
アシタカと会う前に森の中で見つけた艶々と輝く山桑の実を見てサンは
かつての憎い敵だったエボシをふと思い出した。
彼女のくちびるはいつもとても赤く艶やかで魅惑的な色をしていた。
その実を捥ぎって手に取り指で軽くすりつぶすと真っ赤な果汁が
指を染めた。サンはそれを自分の唇にそっと幾重にも擦り付けると
真っ赤に染まった唇からほんのりと甘酸っぱい香りが漂いサンは胸が弾んだ。
・・・アシタカは気づくかな?
その後サンに会ったアシタカの第一声はサンの予想を裏切るものだった。
「いったい何を食べてきたんだい?くちびるが真っ赤に染まっているよ」
事情を知らぬ鈍いアシタカはサンの顔を見るなり子供っぽく笑った。
サンはアシタカの何気ない一言で一気に先ほどまでの甘いときめきは吹き飛び、
それに変わって何とも言えない惨めさと猛烈な恥ずかしさに
口を強く擦って拭くと真っ赤な顔で
「帰る。お前もタタラ場に戻れ!」
と一言放って森の奥へと消えていった。
帰りの道すがら何が起こったのか頭の回転の早いアシタカはすぐに察知した。
・・・ああ、私は何というマヌケだ。
今度町へ出たときに大きな問屋に声をかけて紅を仕入れよう。
サンへの贈り物に・・!
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で、次会ったときサンはアシタカにもらった高価な紅をつけるのを
妙に恥ずかしがって嫌がるのでアシタカが私がつけてあげよう💓
って感じで塗り塗りしてあげているってなシチュですね〜・・
まあどうせこの後すぐイチャイチャして口紅なんて取れてしまったり、
アシタカの唇が赤くなってサンが笑っちゃたりイチャイチャしてどうs
あ。でもアシタカの事ですから決め台詞を忘れませんね。
サンは何もつけなくとも美しいよ。
とか言ってサンの好感度をぐっとまた上げたりしてそうです。。
漫画にでもできればよかったと思っていたイメージでしたが、
気力と能力が著しく欠けていたので結局一枚絵に、、、。
多才な絵描き兼文字書き様がちょっと描いてくれるかも?的流れに、、!!
淡い期待をいただきつつ正座で待ってます。
ちなみにこの時代化粧品はとても高価なもので口紅といえば
遊女がつける様なもので庶民が化粧をする様になったのは明治の終わり頃らしいです。
ので、エボシの様に真っ赤な唇が何を象徴するのかってのは
なるほどなるほどって複数の意味に納得するのです。