Resized to 74% of original (view original)
Artist's commentary
The Strength I dream of
「あははっ、何やってんのよ、モロク。岩の下敷きになっちゃって大丈夫? ほらっ、アタシが持ち上げたげる!」
「す、すげぇな、アスタルテ……お、おれと怪力で勝負できる奴なんて、初めて見たぜ」 異世界カナーンの愛される者アスタルテと、涙の国の王たるモロク。 それぞれの「役割」を課せられる中、アスタルテは、その「役割」からの逸脱を最も望む者でもあった。 奇しくもそれは、異世界との交わりで生じた自身の「別の可能性」との邂逅で、思いもよらぬ形で叶うこととなる。 ただ愛されるために、か弱く、美しくあることを望まれる君が望んだのは、すべてに屈することなく抗うための力。 しかし目の前の相手は――与えられた暴力を嘆く者だった。 互いが、自分の望むものを持つ相手だけど、だからこそ生まれる想いも、ある。