
Artist's commentary
ゆうかりん
華道の世界には「花は足で生けろ」という言葉があるそうで。別に、曲芸みたいに足で作業する、という事ではなく。自然の中に存在する花の美を取り出して、人工の空間である床の間に再現するのが正しい生け花の在り方であるならば、花を飾る者は常に自らの足で以って、自然の中の美を体現する花々に目を向けなくてはならない。ですから「花は足で生けろ」と、言うわけですな。翻って我らがゆうかりん。彼女は自然の権化であるからして、その彼女を床の間の一輪の花でもてなす事は可能なのか、どうか、という問いを立てますと。人間の身勝手な行いに腹を立てるのか、「こんなもの紛い物よ」と軽蔑の眼差しを向けられるのか、あるいは「人間にしてはよくやる」と憐憫混じりのお褒めの言葉をいただけるのか。いずれにしても我々の業界ではご褒美なのであります。(※なお、私は別にお茶もお花もやってませんので、あしからず。)