Artist's commentary
満たされるのは……
「う、うん……。大丈夫、ちゃんと気持ちいい……よ?」
──ずっと求めていた物を手に入れた。そのはずだった。
ユイの下腹部に満ちる圧迫感。
それは愛しい人を己の内に招き入れる充足感そのものだ。
──大丈夫? いたくない?
初めての行為で余裕のない状態でも相手への気遣いを忘れず、普段通りの優しさを見せる彼の姿にユイの胸の中が愛おしさでいっぱいになる。
どんな時でも相手を思いやる優しさを忘れず、仲間や大切な人のために一生懸命。
なぜかは分からないけれど、ユイは初めて会うより前からそんな彼のことを知っていたような気がしていた。
これが運命の出会いってやつなのかな、なんて乙女チックなことを考えて赤面したこともある。
愛しい彼が自分に夢中になってくれている。
最高の幸せ。
幸せでないといけない。
――ユイっ……そろそろ……でそうっ。
「あ……。うん、そのまま出しても、んっ、大丈夫だよ、騎士クン」
必死に目を背ける。
己の内にある虚無感。
彼の物を内に招き入れきったときに、満足げに笑みを浮かべる彼を見て抱いてしまった失望を。
「とっても、気持ち良かったよ」
精一杯の微笑みを伴いそう告げる。
内に注がれる愛しい男の精液。
その熱が、疼き続ける自分の奥を埋められないことをどうしようもなく感じながら……。
~~~~~~~~~~
「で、こっちに来ちゃったワケ?」
「ん、んんンゥッ!! 違うっ、これは、あはぁあン❤ 違うのぉっ!! あぁっ❤」
甘く蕩けた女の声がホテルルームに響く。
部屋中に響くその声の大きさは、少女が味わっている快感の大きさに等しい。
「ユイちゃんったら悪い女だねぇ、恋人とハジメテしたすぐ後に他の男に抱かれに来るなんてさっ!!」
「んっはぁああアっ!! それっ、それダメェッ!! 奥にっ、おちんちんっズンズンッてするのっ!! ダメなのぉッ!!」
ユイの秘所に突き入れられる怒張は、つい先ほどまで同じようにソコを占拠していたモノとは比較にならないほど逞しく、大きかった。
グチュグチュと音を立てるほどに激しく最奥がノックされる度に、前の男では埋められなかった隙間が埋められていく。
雌を自分の形に作り替える雄の侵略行為。
この女はもう俺の物だという自分勝手な男の主張。
しかしユイの蜜壺はそれを受け入れるかのように、ねっとりと男の剛直に絡みつきプシュプシュと白濁した愛液を結合部から垂れ流す。
「へへっ……ユイちゃんマジで最高だよ!!顔は抜群に可愛いし、胸も超デケェ!!いやー、ハメれてマジでラッキーだったわ~!!」
乱暴に腰を突き上げる男の口から下卑た言葉が漏れる。
その内容は女性をまるで物のように評価する最低なもの。
いや、事実男にとってユイは物と変わらないのだろう。
蕩けた喘ぎ声や激しく揺れる豊満な乳房で男の興奮を煽り、男の肉棒をぬめる秘所で丹念に扱き上げる。
愛してもいない男に最高に気持ちいい射精を促すための、最高に出来が良いオナホール。
それが今のユイだ。
行為の最中でも相手のことを思いやるあの人とはまるで違う。
薬を盛り女を眠らせ、眠っている最中に処女を奪う、人として比べるまでもなく最低の男。
それは分かっている。
分かっている、けれど……。
「んっはぁッアア❤ あひっ!!お、おちんちんっ、奥っ、お、おまんこの、奥にズンズンってェッ❤アッあンッ!!これ違うっ、さっきのと、ぜんぜんっ、違うぅ!!
す、すごいぃッ!!こ、こんなのっ、まっ、またイクッ❤いまイッたばかりなのに、またイっちゃうよぉっ!!あっ、ああぁああッ!! ~~~~~~ッ❤」
女に悦楽を与え、淫欲を満たすことが雄の役割であるのであれば。
雄としてこの男は紛れもなく最高だった。
女体を軽々と持ち上げ、どんな体位も可能とする鍛え上げられた身体。
一日中でも女を抱き続けられる強靭なタフネス。
数えきれないほどの女を抱き続けたことで獲た容易に雌の弱点を見つける直感。
そして何よりも、並の男では比べ物にならないほど逞しく、太く、大きいペニス。
ユイの蜜壺をぎっちりと隙間なく埋める肉棒の逞しさを、無意識のうちに自分が知っているもう一本と比較してしまう。
際限なく襲い来る快感の暴力により陶然として意識の中で、理性とは別に牝としての本能が一つの結論を出しかけていた。
――あの男では、気持ちよくなれない。
さっきの情けない雄ではなく、今自分と交わるこの雄こそが自らが生殖に適した最高の相手なのだと。
生物としての本懐を果たすのにふさわしい相手なのだと。
一度そう認識した身体の変化は劇的だった。
肉襞の一枚一枚が蠢きだし、肉壺全体がまとわりつくように蠕動する。
雄に快楽を与え、その先に至らしめるための動きを始める。
無数の女を抱いてきた男はその変化を察し、ニヤリと笑みを浮かべた。
「くぅ……ユイちゃんその動き超エロいっ……。一気に出そうになったわ!!一目見たときから思ってたけど、やっぱ最高に淫乱な女だな!!今度は膣内で射精すから、しっかり受け止めろよっ……!?」
「あっ♥ んあぁっ、膣内っ、ダメェッ!!そこは、騎士クンのなのっ!!あぁぁあっ!!ダメ、ダメェっ❤」
口から飛び出る言葉は否定するもの。
だが、もし人が聞いたならその甘く蕩けきった女の嬌声は逆の意味にしか聞こえないだろう。、
それを証明するかのように、ユイのスラリと伸びた細い両脚は既に男の腰にガッシリと絡みついていた。
「おらっ……!!愛しの騎士クンじゃ届かない一番奥で、チンポからザーメンたっぷり出してやるからっ、なっ!!おっ、おぉぉっ……!!」
「んはァンッ❤ダメェッ❤チッ……チンポッ❤ザーメン、膣内射精ダメェッ❤あぁっ、イクッ……イクゥッ!!!!」
びゅるっ!!びゅるるるるぅ~~~~~~っ!!!!
内に流れ込む圧倒的な熱。
高めに高められた快感が弾け、ユイの頭の中が真っ白に染まった。
「んっはァアアッ❤あぁっ……奥でぇっ、熱いのがっ❤ふわぁあっ!!これっ、これ本当にダメッ、ひあっ、あアアンッ❤んあああああああああああっ❤」
脳髄が蕩け快感がもたらす多幸感をただ享受する。
何も考えず快楽の奔流に飲まれ、身を任せることのなんと心地よいことか。
その瞬間、確かにユイの頭には与えられる快楽のことしかなく。
運命とまで思っていた少年の存在は、目の前の雄に完全に塗りつぶされていた。
――数時間後。
「(……ごめんね、騎士クン)」
全身を味わい尽くされたユイは行為後の疲労で意識を失うその直前に少年に謝罪する。
最早その謝罪に何の意味があるのか分からなかったけれど。
そんな女の様子を見て男は野性的な笑みを浮かべた。
まだまだ楽しませてもらえそうだな、と呟きながら。
少女の受難は終わらない。
いつか快楽が少女の身体だけでなく、心まで焼き焦がすその時まで――。
きゃぷしょんながすぎたからけずった
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