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Artist's commentary
不思議の国のアリス/チェシャ猫燐
にゃう~~~~~~~~~
猫の鳴き声にひかれて、とりあえず頭を動かした。
黒いドレスに黒い猫耳、緩やかに揺れる黒い尻尾、黒一色で飾られた少女はとろんとした表情で身を伸ばしながら石柱の上で丸まっている。
時折うめき声をもらしながら、黒猫の少女は満面の笑みでじぃっとアリスを見つめた。
「あなたはどこの猫さんかしら…?ここはどこ…?ここから出る方法、教えていただける…?」
ボゥッとした所為か、アリスは聞きたいことを一遍口にした。
「それはほら、これらの道しるべをみてみて、どれに行きたいと思ってもここから出られるにゃ~」
きしきしにゃーにゃーと笑いながら、猫耳の少女はとろんとしてもじっとアリスを見つめている。
「いや、私が聞きたいのは……どこに向かえばこの変な世界から出られるのかしら…?」
「じゃあこの方向に住んでる帽子屋、彼女にきくといいにゃ~」
耳をビクつかせながらあくびをして、そしてまたあのとろんとした笑顔に戻った猫耳の少女は前方に指差した。
「それとこっちなら三月うさぎがすんでいるにゃ」
でもすぐさましっぽでもう一つの方向も指す。
「た~だし~……帽子屋は銃をうちまくる気が変なやつで、三月うさぎはうそつきにゃ~」
きしきしにゃーにゃーと、猫耳の少女はニヤリとした笑みを見せた。