Artist's commentary
処女の宅急便
昔、引越しをする際に、たいして荷物がなかったので宅急便に配送をお願いしたことがあります。
自分でしっかり梱包したつもりで送ったのですが、いざ届いてみると配送途中のミスで底が開き、中身が飛び出てしまったと爽やかなお兄さんに頭を下げられました。
どうせ雑誌類の壊れない物が入った箱だと思ったのと、すごく紳士的な態度で申し訳なさそうに謝る姿に俺も
「いえ、気にしないでください。俺の方こそ梱包の仕方が甘かったと思います。それに入っているものは昔のファッション雑誌とかたいした物じゃないんで。ニカッ!」
「そ…そうですか…」
「はい、なので気にしないでください。ニカッ!」
と持ってもいない雑誌まで引き合いに出し、精一杯に爽やかボーイを演出しました。
結局半額近い割引をしてもらい、最後まで丁寧に挨拶されその方は帰っていきました。
なんだか申し訳ない気持ちになりながら部屋に荷物を運び問題の箱をよく見てみると、とても厳重に梱包されていていました。
一度開いたからこんなに厳重にしたんだな、とか思いながら開けると
『○学生の××××××』
『妹の××××××××』
「わぁ~!!これはとても人に言えないえっちな本だ~☆………くぁswでfrgtyふじこlp!!!!」
というか一番厳重に梱包した箱だよ!なんで底開くの!!!
今でもあのお兄さんの一瞬見せた何か可哀想なものを見る目が忘れられません…