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Artist's commentary
カンナちゃん
◯月◯日、業務記録
本日は違法武器や、改造した戦車を保有するカチコチヘルメット団が別の不良グループに対して攻撃活動を起こすとの密告を受け、早朝より張り込みをしていた。
普段ならばこの程度の組織にリソースを割くことは少ない、しかし「本日は連邦生徒会で先生と生徒会役員の重要な会議だ、要らぬ波風を立てぬように行動を起こす前に制圧するぞ」、とのカンナ局長からの命令によって任務を行うこととなった____まさか、張り込みに局長がついてくるとは思いもしなかったけれど…
カンナ局長の噂はたくさん聞いていた、顔が怖い、いつも怒っている、故に狂犬だと……けれど、実際に会った局長はそんなイメージとはかけ離れた、普通の人だった。
炎天下、車内での張り込みで、ネクタイを外し、汗を拭う局長に気を使い、用を足しに行くついでにスポーツドリンクを買って渡した。誰かに気遣われることになれていないのか、ぎこちない笑みを浮かべていた。
それから少しして、人に気遣われることに慣れていない、私は周りに怖がられることが多くて人との関わりが希薄だ、と自嘲する局長を励まそうと、いろんな事を褒めに褒めた。髪が綺麗、人がいい、しっかり者、かっこいい、憧れだ、そんなことばかりを言って、ふと我に返って局長を再び見たとき、ぎこちない笑顔は、照れたような、少し困ったような自然な笑顔になっていた。
文:哀凪
絵:かにかなにか